太陽電池を内蔵した表示板「デザインソーラーパネル」が発電した電力を使用し、無線LAN環境を展開するソリューションです。
屋外において電力供給が困難な環境でも、電気工事を行うことなく無線ネットワーク環境を構築できます。表示板との組み合わせにより周囲の景観に配慮した導入が可能です。
屋外無線LANとは
無線LANはネットワークに対応した機器をワイヤレスでインターネットに繋げる技術です。通常、通信回線やモデムといった機器が必要となります。また、無線LANスポットを屋外で展開する場合はルーターやゲートウェイを準備する必要があります。勿論、そのための電源確保も必須となります。
2025年の大阪・関西万博開催を控え、訪日外国人観光客は増加傾向にあります。駅やホテルなどの施設を中心に無線LANサービスの拡充が図られています。一方、30%以上の訪日外国人観光客が無料の公衆無線LAN環境が十分でないと感じています。また、言語の違いや目的地までの経路情報不足など、観光に必要な情報を取得し難い点にも課題があり改善が求められています。
デザインソーラーパネルと屋外無線LANの組み合わせ
活用のメリット
- 屋外の観光地や防災拠点など、電源確保が困難な場所にも簡単に導入できます
- 電源コストを削減しつつ短期のスムーズな設置が可能です
- 太陽光で発電するため災害による停電時にも使用可能です
屋外無線LANアクセスポイントの構成例
メッシュ型(アドホック)
AP同士の通信によって、APを経由しながらネットワークを構築する接続形態です。エリア(面)での展開が可能であり、広い範囲をまとめて整備する場合に最適な方法です。ひとつのAPが使用不可になっても別ルートで自動構築できます。接続の信頼度が高いというメリットがあります。
WDS型(インフラストラクチャ)
AP同士の通信によって別のブリッジを経由しながら「1:多」の通信でネットワークを構築していく接続形態です。スポット(点)での展開が可能となります。狙った場所だけを整備する場合に最適な方法です。ブリッジを介することで電波の伝送距離が長くなり、最小限のコストでAP構築が可能です。
モバイル回線の利用
全国に張り巡らされた携帯電話回線を利用して無線LANを展開する方法です。最近では価格面で大きなメリットのある格安SIMなどを用いたサービスも増加しています。設置場所の自由度が高く、通信速度が安定する点が特徴です。
ソーラー式屋外無線LANアクセスポイントの用途例
バス停
駅や空港、バスターミナルなどの交通拠点はインターネットの需要が大きい場所です。早い段階でフリーWi-Fiなどの通信環境が取り入れられてきました。
一方、電源確保が難しい屋外のバス停では電気・回線工事が必要となります。一か所の拠点に対して大きなコストが掛かってしまうため、導入が見送られているケースが多々あります。
デザインソーラーパネルは独立電源として機能するため工事費用の削減が可能。表示面に時刻表や広告を掲載することで「バス停サイン」や「ファニチャー」としても活用できます。
災害避難拠点
災害時は、回線へのアクセス集中により電話が殆ど繋がらない状態となります。一方、インターネットを介した情報収集やメール送受信などは使用可能です。しかし、停電が発生すると基地局や通信機器の電源が落ちてしまいます。結果的にインターネットへのアクセスも困難となります。
公共施設を中心とした規模の大きい避難所では、緊急時の通信インフラ確保に予備電源を備えるといった停電対策が進められています。一方、一般的な防災公園や避難場所では予算面で予備電源の導入が困難です。そのため、無線LANの環境整備が遅れています。
こうした問題の解決としてデザインソーラーパネルが役立ちます。避難情報や誘導案内を施した防災看板に通信機器を備え付けることで無線LAN環境の整備が可能となります。太陽光発電を利用するため、停電など電力不通の際にも機能します。
観光地
観光は、情報提供の面からインターネットの需要が特に高い分野です。日本政府も「全国の観光地約3万カ所に無料Wi-Fiスポットを設置する」という方針を掲げています。しかし、屋外の観光地は電源確保の問題から整備が遅れています。
電気工事が困難な場所では、自然エネルギーによる電源整備が積極的に行われています。観光スポットは景観の配慮が重視されるため、意匠性を重視したデザインソーラーパネルの特徴が生かされます。
コメント